「与える人」と「搾取する人」…広告で成功するのは?

最近「搾取」という言葉をよく聞きます。
なんでもかんでも「搾取」というのはどうかと感じますが、この言葉によって、今まで不当に扱われてきた立場の弱い人たちの声が浮き彫りになってきました。

搾取する者には「NO」と言う、凛とした生き方

以前の自分は、絶対にNOを言いませんでした。
東京にいた頃「仕事は人に回してでもNOと言うな」と言われていたからです。

時代は変わり、現在では理不尽な要求や、自分が得意ではなく難しいことや、どうしても都合が悪い場合などははっきりと「NO」が言えることの重要性が高まってきたと感じます。

「NO」を言わない人の「YES」は価値がないのです。
他者にコントロールされない、凛とした生き方へと時代がシフトしているように感じます。

搾取するクライアントの例

  • お金を払ってるんだから、デザイナーが全部やるべき。
  • 休みも潰して、自発的にフル回転して、クライアントが気に入るまで身を粉にして尽くすべき。
  • 言わなくてもわかるべき。クライアントの考えが変わっても文句を言わず従うべき。空気を読んで先の行動をすべき。
  • 取材させてほしいとお願いしても、したらいいんじゃないですか?したいと思うならしてくれて結構です。という返答で、取材協力をしてもらえない。
  • タダで情報を教えてくれ

など、とにかく「あなたが何とかすべき」「こちらは動かない」「こちらが上である」というクライアントさんの場合、私のような小さなデザイン事務所ではフォローしきれず、良い結果にならない事が多いです。

だからしっかりと「NO」を言う。

これは働き方だけではなく、広告を見るユーザーさんにも浸透してきていると感じます。
「発信者が上である」「ユーザーを思い通りにしてやる」という広告にはコントロールされないぞ、NOと言うぞ!という人が若い人を中心に増えている印象です。

従来の広告の主流は「ギブ&テイク」

よく見る広告は…

  • こちらのできる事や成果、自慢のようなPRばかりを連ねる
  • 「申し込んだら〇〇!」「ご来場したら〇〇!」「資料請求したら〇〇をプレゼント」という交換条件
  • 今なら20%OFF!というようなユーザーを焦らせる文言

昔もてはやされた広告のコツに則った手法です。

1. 人は一番しか覚えられない
2. 人は商品を見てない
3. 人は複雑なものを理解できない
4. 人は思考を変えたがらない
5. 人は信じたものは疑わない
6. 人は新しいものが好き
7. 人は印象を重視する

これらの広告は搾取とまでは言えませんが、与えるものといただくものが半々のギブ&テイクが主流です。
発信者の都合優先で、利用者の気持ちをとことん考えているものは少なく、考えているものでもポエムのようなものや「だからなに??どうしてほしいの?」というようなクライアントのお気持ち表明型の広告にとどまってしまっているのをよくみかけます。

上記の7点は、大衆の本質をついており、マス広告のスタイルとしては仕方ない部分もあります。
1回きりかもしれない広告の機会を最大限に生かすためには、インパクトとギブ&テイクでその場で完結させるしかなかったのです。

これはSNSがない時代の、大衆をひとまとめに考えた古い広告価値観だと感じます。

SNSの広告は「与える広告」がオススメ

SNSは継続してユーザーと繋がれる場所。
「与える広告」ができる場所なのです。

SNSの与える広告の例

  • 飲食店がレシピ動画を公開する
  • 美容室がヘアアレンジ動画や自宅ケア動画を公開する
  • ヨガやマッサージ店が家でできるストレッチ動画を公開する

などです。

「そんなことをしたら家で済ませちゃうから、お店に来る人が減ってしまうのでは?!」
と思われるかもしれませんが、その逆です。

ユーザーは「役に立った」という体験を得る事で、お店に対する感謝と信頼感、親近感を持ちます。
そして与えてもらったので、次は与えたいと考えてくれます。
このサイクルなら、どちらも損することなく、良い関係を築くことが可能だと考えます。

もし、情報だけを得てお店に来ないユーザーがいるとすれば、それは搾取する人です。
お役立ち情報を見ても見なくてもそもそもお店に来ることはありませんし、来てほしくない人ですので、マイナスにはなりません。

当事務所も、できるだけノウハウを公開していくことにいたしました。
今まで自分だけで独り占めしていた技術をブログに記し、インスタグラムでデザインストックの公開を始めました。

デザインスタジオiR 公式Instagram

人から与えてもらいたければ、まずは与えること。
お店に感謝して、信頼感を持ってくれる人だけ来てくれればいいと割り切ること。
そして、できるだけ楽しく、手間をかけずに「与えるコンテンツ」を作ること。

これからのインターネットやSNSではこれが重要になってくると感じています。