ホームページ制作やクリエイティブ職とAIの展望

AIが雑務をしてくれるので人間はクリエイティブ活動をして優雅に暮らせる!という論調は消えてしまいました。

クリエイティブ界隈で言われていた「AIが発達したら人間は退屈な単純作業をやらなくてよくなる。確定申告などのつまらない仕事はAIに任せて、歌をつくったり絵を描いたりして優雅に過ごすのが理想」という考え方がありました。

しかしその理想には以下の3つの問題があると感じます。

  • 人は誰かの役に立っているという認められている感覚がないと精神を病むので、何かしらの仕事は必要。
  • 歌をつくったり絵を書いたりでする能力がある人はごく少数なので、多くの人はAIに仕事をかわってもらっても創作活動ができないし、特にしたくもない。
  • 多くの人には、絵を書いたり歌をつくったりすることで生計をたてられる人への潜在的な嫉妬がある。

特に3つ目はあまり語られないですがAIに仕事をさせてクリエイティブ活動をするという理想にとっては大きな問題だと感じます。

クリエイティブ活動で生計を立てる人に対して、多くの人が「好きなことして気楽に遊んで暮らしていてズルい」という感情があるとすれば、むしろ「創作活動はAIに代行させて、人間は遊んでないで働け!」という考えが多数派なような気がします。

(余談ですが、フランダースの犬はもともと「絵ばっかり描いてるとああなる。真面目に働きましょう。」という戒め的な意味を持ったお話だそうです)

なので、現在なりつつある「AIを使って才能がない人でも歌を作ったり絵を書いたりすることができるようになることで、結果的にクリエイターの仕事が奪われて、クリエイターも誰でもできるようなつまらない仕事をして働かなければならない」という流れは既定路線のように感じます。

AIに仕事を取って代わられる人、AIによって豊かになる人の違い

もう一つの論調である「AIに仕事を奪われる!」
これはそうなりつつあると感じます。

かつて写実的な絵画を描くすごい技術を持った画家が写真に取って代わられたように、剣豪が鉄砲の登場で修業をしていない女子供にも負けてしまうように、技術の進歩によって人間の鍛錬の成果が意味をなさなくなった例はいくらでもあります。

その例を踏まえたとしても、今後、全ての職種の全ての人が無条件にAIに取って代わられるわけではないと考えます。

豊かになるのは「AIを使う能力のある人間」

AIによって豊かになる人は確実にいます。AIを使いこなせる人間です。
上記の例でいうと、カメラや鉄砲を使いこなすことができる人間ということになります。

  • AIを使う人間(効率化する事で豊かになる)
  • AIに癒される、AIに消費される人間(多くの人たち。今までとあまり変わらず?)
  • AIに仕事を奪われる職業(一部の芸術家、クリエイター。理由は後述します。)

例えば確定申告にAIが使われるようになっても、一般の人がそのAIを使いこなせるわけではなく、税理士がAIを監督し効率化するという形になるでしょう。

おそらく、ロゴデザインをはじめ様々なクリエイティブな仕事もAIでできるようになると思います。

しかしAIにロゴを作ってもらおうにも、そもそもどんなロゴを発注したらいいかわからない、どんなロゴが良いのかわからない…という企業さんがほとんどではないかと思います。

どんなにAIが発達してもAIは一般的なモチーフを学習して、指示を最適化してくれるだけですので
「AIを使う前の段階の相談ができる人」
「AIを適切に駆使してくれる人」
「AIだけでなくプロジェクトの全体を見通せる人」
というのは必要となります。

AIで様々な事ができるようになっても、ビジネスに関わるAIを使いこなせる能力のある人間は限られる

そこで「クライアントから要望を聞き出し、ターゲットを決め、ふさわしいイラストやロゴデザインをAIに描かせることができる事ができる人」=「AIを適切に使う事ができる人」はAIに仕事を奪われるどころか、AIによりさらに効率化され豊かになると予想されます。

デザインやホームページ構築といったクリエイティブ活動ではなく、ディレクションができる人間が今後は活躍するでしょう。

顕著な例がGoogle広告です。
Google広告はまさにAIの塊ですから、誰でもできる簡単な設定を行えば自動で稼働します。あとはAIにお任せすれば、ある程度の結果が出るようになっています。
クリックされなければ請求もありませんので、何度でも試行錯誤が可能です。

それでも最大限に活用するためには戦略が必要で、専門家の力が必要なため、広告代理店を使う方が多くいます。

もう一つの身近なAI「Google検索」。
なんでもわかる知の集合体にいつでもアクセスできる状況なのにも関わらず、自分で検索をせずに、信頼できる身近な詳しい人に聞くという人も多いはずです。
そして、聞かれた人は大抵の場合、Google検索で検索したのち嚙み砕いて「こういうことだそうだよ」と伝えるのです。

このように、AIは誰にでも開かれているとはいえ、AIに直接アクセスできる人、AIを使いこなせる人は意外と少ないのです。

一般の人が安心して使えるAIは、芸術・音楽。クリエイティブな才能がない人の趣味活動はAIによって各段に豊かになる。

上記のように、仕事でAIを使いこなすのは難しくても、芸術や音楽を作ってくれる趣味活動のAIであれば気楽に触れることができるでしょう。

AIに頼んで作品を作ってもらえば、自分で作曲できなくても、絵心がなくても、クリエイティブ活動をしたような気分になれ、自己顕示欲やクリエイティブ欲が満たされるのです。

事実、音楽や芸術関連のAIは目覚ましい発展を遂げています。
例えばmidjourneyは人気のお絵描きAIです。
https://www.midjourney.com/

短い文章を入れるだけでハイクオリティな絵画がアウトプットされます。
それだけではなく、その絵画にちょっと手を加えるだけで低コストでとても美しいオリジナルのイラストに仕上げる事もできます。

真っ先にAIに仕事を奪われるのは「芸術家」ではないか?

上記の点において、AIによって真っ先に門戸が狭まるのは、芸術や音楽方面の人たちではないかと感じています。

芸術や音楽のAIが発達し、だれでも簡単に使えるようになると、人間の芸術家は「ものすごく特徴がある著名なクリエイター」しか残れないのではないでしょうか。

まとめ

クリエイターの創作活動は、AIに学習され、取って代わられてしまう可能性が大変高いです。
クリエイターよりクライアントとコミュニケーションを上手に取ってセンスを活かしてAIを使って効率的に制作を進め、戦略を提案できる、ディレクターが活躍できる時代となるでしょう。

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