ロゴデザインのトレンドは「無個性化」の流れ

グローバル企業や有名アパレルブランドのロゴデザインが次々と無個性化しています。
以下の記事によくまとめられています。

Why do so many brands change their logos and look like everyone else?

https://velvetshark.com/why-do-brands-change-their-logos-and-look-like-everyone-else

以下、ロゴデザインが無個性化(サンセリフ体へのリニューアル)している理由についてAIによる翻訳です。

考えられる理由

このサンセリフ体のトレンドが広がる理由は何か?そして、なぜそれらのほとんどが重要ではないのか?


「モダン・ユーティリティ(現代的な実用性)」

ブランディングの専門家は、サンセリフ体の持つ「モダン・ユーティリティ(現代的な実用性)」が実用的なメリットをもたらすと指摘しています。サンセリフ体はシンプルで視認性が高く、さまざまなメディアに適応しやすく、特にオンラインでは優れたパフォーマンスを発揮します。これらのフォントの純粋なデザインは、ブランドを「空の器」とし、急速に変化するトレンドを受け入れやすくするのです。

反論: それは一理ありますが、ブランドの価値とは「空の器」にならないことではないでしょうか?大手ブランドは長年にわたりアイデンティティを築き、認知度を高めてきました。それを簡単に手放してしまっていいのでしょうか?


シンプル化

もう一つの理由として、ブランドが成長する過程でシンプル化が自然な流れであるという考えがあります。創業当初のスタートアップは目立つことが最優先ですが、やがて信頼され、日常に溶け込む存在へと変わります。最初は個性的で魅力的だったデザインも、大衆向けに広がるにつれ、シンプルで親しみやすいものへと変化していくというのです。

反論: シンプル化は大切ですが、それが「埋もれる」理由になっては意味がありません。ロゴはシンプルであるべきですが、「記憶に残る」シンプルさが必要です。ナイキのスウッシュ(シンプルかつ印象的)を思い浮かべてください。ただのサンセリフ体で統一するのとは異なります。


ブランドはロゴだけではない

大手ブランドの経営者たちは、ブランドがもはやロゴだけで定義されるものではないと考えています。重要なのは提供する製品やサービスであり、ブランドの強さは「それを使って何ができるか」によって決まるというのです。

かつては、ロゴデザインに「コンセプト」を求めるのが一般的でした。しかし、今では「ブランド自体がコンセプト」になっています。

ロゴが似通っていても、提供する価値が異なり、消費者にとって有益であれば問題ないという考え方です。また、ブランド名が動詞化する(例:「ググる(Google)」「ウーバーする(Uber)」「スカイプする(Skype)」)ことで、ロゴの認知度に頼る必要性が減っているとも言えます。そのため、多くのブランドはロゴではなく、独自のカスタムフォントの開発に注力するようになりました。

反論: 確かに一部の大手ブランドは、ロゴに強く依存しなくても成功できるかもしれません。しかし、それは「ロゴをなくす理由」にはならないはずです。ナイキがスウッシュをやめて「NIKE」というサンセリフ体の文字だけにすることはありません。大切なものがあるからといって、それを必ず捨てなければならないわけではないのです。


可読性

サンセリフ体のトレンドが広がる最大の理由の一つは、可読性の高さです。特にモバイル環境では、小さな画面で見やすいフォントが求められます。また、巨大なビルボードからモバイルサイトのフッターリンクまで、あらゆる場面での視認性が重視されています。

そもそもサンセリフ体が生まれたのは、広告の見出しをより読みやすくするためでした。

反論: 可読性は重要ですし、モバイル対応も欠かせません。しかし、技術の進化によって、高精細ディスプレイ(Retinaや4K)が普及する中、この問題は以前ほど深刻ではなくなっています。

※翻訳ここまで

クリエイティブの「無駄を省いてシンプルに」は「贅沢は敵だ」とほぼ同じ

記事を読んで感じるのは「無駄を捨ててシンプルに暮らそう」という考え方の大きな波です。
これはロゴデザインだけではなく、ファッションやインテリアなどにも感じられます。

例えば2024年のレコード大賞の司会の女性の衣装はドレスより全く飾り気のない白いパンツスーツが好評だったそうです。以前の女性司会者はゴージャスなドレスが定番でした。数年前にはあのような露出も少なくアクセサリーもネックレスだけというシンプルなパンツスーツで年末の一大イベントの司会をするなんて絶対ありえなかったでしょう。

ロゴデザインもベタ打ちのサンセリフのようなものを提出するなんて以前は考えられませんでした。
もちろん、各企業のサンセリフロゴはありもののフォントベタ打ちではなく考え抜かれたものではあるのですが、一般の方からはどれも同じでサッと作ったかのような印象に見えると思います。

手が込んだデザインのロゴや衣装は「豊かさ」「美を楽しむ心の余裕」を感じる気がします。
一方「無駄を捨てた無個性な書体」「ブランド名が読めればいい」というロゴは現代の「無駄を省いてシンプルに」という時流には合っていますが、要は「贅沢は敵だ」というようなことで、まるで戦時中のようで寂しく感じる部分もあります。

大きな話になってしまいますが、第二次世界大戦が終わり節制の時代を過ごした反動で「豊かさ」「余裕」「ゆとり」「手間がかかっていること」が良しとされていたのが、100年近くの時を経てだんだんと「そういうのってダサいよね。無駄だし。シンプルが一番」という流れに落ち着いてきたように思います。

大企業だからできるロゴの無個性化

ただ、これを無名の企業やショップが真似してはいけないとも感じます。
誰もが知る大企業なのでシンプルにしても問題ない、というだけで、大企業以外の企業は個性のあるロゴデザインでアイデンティティを確立する必要があります。

「消費者はロゴがいいから商品を買うのではない。ロゴよりも提供するサービスに価値がある」には全面同意

売上を立てる事を得意とするデザイナーとして個人的な意見ですが、ロゴは感性の問題ですのでクライアントとターゲットが「いい感じ!」と思えれば良いと思っています。

商品やサービスが好きでロゴも好きという人は多いとおもいますが、ナイキやアディダスなどロゴが好きでその商品を買うという場合はそれはロゴというよりプロダクトデザインの領域だと思っています。

そうでない場合はそこまで売り上げに直結しないので、視認性が良くて覚えやすくて読めればいいんじゃないかな?と思っています。

まとめ

サンセリフロゴは読みやすくシンプルで今の時流に合っていますが、個性がなくなり企業としてのアイデンティティを表現しにくいデザインです。

現代は個性的である事は求められない時代なのかもしれません。

大企業のロゴデザインがサンセリフ化される流れはおそらくさらに広がり、大企業ではない企業やブランドも追いかけていくんじゃないかなと思います。

そして世の中がサンセリフのロゴであふれかえったところで大企業がまた個性的なロゴに回帰していく…というような流れになるように予想しています。

当事務所もホームページのロゴだけ流れに乗ってサンセリフにしてみようかなと思います。

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