Adobeがクリエイターのための画像生成AIを開発へ

Adobe、画像生成AIを開発へ 倫理や法律面で“透明性”高めたクリエイターのためのツール目指す

Adobe、画像生成AIを開発へ 倫理や法律面で“透明性”高めたクリエイターのためのツール目指す

クライアントが単語を複数入力すると、それに合わせたイラストを自動的に生成してくれるAIソフトやアプリが話題となっています

Midjourney

AIお絵描きアプリ「AIピカソ」
▼iOS版
https://apps.apple.com/app/ai-picasso-dream-art-studio/id1642181654

▼Android版
https://play.google.com/store/apps/details?id=com.aidealab.aipicasso

LINEのアプリでも無料リリースされ、今や画像生成AIはかなり身近なものとなりました。

画像生成AIの問題点

学習元の著作権がグレーである問題と、スピードで人間のクリエイターはAIにかなわない感情的な問題

AIは何もないところから画像を生成しているわけではなく、ネットにアップされた無数のイラストや写真のビッグデータを学習して、人間の入力した指示に合った画像を生成します。

「学習元の著作権はどうなるのか??」というのが最大の問題になるのですが、これはAIに限らず人間も同じように「学習」をした上で絵を描いているわけです。

人間社会に一切かかわらず、芸術作品もなにも見ないで育った画家がいるでしょうか?
人間は今までの人生で見た作品から学習し、模倣し、自己の画風を完成させています。
それをAIがやったら違法…というわけにはいかないでしょう。

ただ、人間とAIの大きな違いは「努力する時間」です。
人間が何年もかけて学習して習得した技術で作り上げた画風で作品を書き上げるのに対し、AIは一瞬でそれをやってのけます。
これでは人間のクリエイターの立つ瀬がないというのが論点となっています。

今後のクリエイターとAI

ロゴデザインはAI生成が主流になると予想

ランサーズなどのコンペ形式でロゴを制作するのは、ある意味AIで画像を生成する手法にとても似ています。

依頼主は文章でイメージを伝え、それを見た複数のデザイナーがそれぞれ案を出してくれるわけですが、依頼主からすると文章をAIに入力し複数の案を生成してもらうのと労力は変わりません。

コンペを開催するのは嫌だという依頼主もアプリで簡単にロゴ作成されるのであればそれを使うようになる可能性があります。

また、コンペは抵抗があるというデザイナーも、自身のロゴデザイン案のバリエーションパターンをAIで生成するという使い方をするようになると予想します。

イラストはAIで生成

イラストは上記の通りです。すでにかなり高いレベルでの画像生成が行われています。

現在はのイラスト事情は、

  • 自分でイラストを描くクリエイター
  • イラスト販売サイトからシーンに合ったイラストを購入するデザイナー
  • ランサーズなどに依頼してシーンに合ったイラストを描いてもらうデザイナー

と分類されていますので、そこにAIが入った時、どういう活用をされるかは未知数だと感じます。

イラスト販売サイトから購入する、ランサーズに依頼するデザイナーは、AIよりもありもののイラストを購入した方が手っ取り早い、人に依頼した方が細かいニュアンスの修正が伝われると感じているように思いますので、もしかしたら自分でイラストを描くクリエイターの効率アップにAIが使用されるんじゃないかな?と感じます。

実在しない風景写真やモデル写真をAIで生成

現在はフォトストックサイトから写真を買うのが一般的ですが、実際にある風景や実際の人物の写真では困る!という場面が出てくるかもしれません。

そんな時はAIで生成するととても便利だと思います。

クリエイター、もしくは自社にお金が入るような構図を維持するため、Adobeが合法AIを独占管理する未来

先述のように、クライアントが簡単にAIに指示を出して作品を生成できるようになってしまうと、既存のクリエイターが減ってしまいます。すなわち今のままではAdobeの使用者が減ってしまうということです。

無料AIを一般人が気軽に使えるようになると、Adobeはとても困るわけです。
そこで「クリエイターにお金が入る仕組みのAIをAdobeが開発しする」との目標を示したのだと考えられます。

ただ「クリエイター」というのが既存のクリエイターなのかどうかは怪しいと感じています。
これからの未来は、AIツールを使えばみんながクリエイター!という意味にもとれるからです。
しかし、全ての人がAIツールを使いこなせるとは考えにくいので、実際にはクリエイター(器用でアイディアもある人)と準クリエイター(不器用だったり多忙で絵は描けないけどアイディアは出せる人)がターゲットになると思います。

言い方は悪いですが「AIの技術をAdobeが独占し、ツールとして有料配布し、クリエイターしか使えないようにすることで、現状と同じ経済的構図で画像生成AIと共存していく」もしくは「現状の才能のあるクリエイターに限らず準クリエイターまでをターゲットとしたさらに大きなマーケットを作り、Adobeの独り勝ちを狙う」というのがAdobeの目指すところではないかと思います。

まとめ

画像生成AIの発展はめざましく、今までのツールではクリエイターとしての素養がなかった一般の人も気軽に使えるようになりました。

これは今まで筆やPCソフトなどの専用の道具を器用な人間が使うことで絵を生産していたのが、だれでも魔法の杖を一振りすることで絵が描けてしまうくらいの大革命です。
しかもその魔法の杖は無料でどんどん配布されてしまっているのです。

この天変地異ともいえる大きな変化に、クリエイター向けの道具を販売して収益をあげているAdobeはかなり危機感を覚えていると思います。

しかし、危機はチャンスでもあります。

道具の販売では絵をかく才能やクリエイティブな才能がある一部の人しか顧客でありえなかったのが、魔法の杖なら全人類が顧客になるわけです。(その場合、クリエイターを保護するという大義名分は消滅しますが)

Adobeの作るクリエイター向けの魔法の杖は一体どのようなものなのか、機能はもちろんですが、収益化のシステムも含めてどうなっていくのか。Adobeは既存のクリエイターの味方となるか敵となるか。とても楽しみです。

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