“販売されてるイラストや写真=なんでも自由に使える”は危険です

素材サイトで購入したものなら安心?——実はそうじゃない

最近、イラストのトレースや模倣(いわゆる「トレパク」)がSNSで問題になることが増えています。
「著作権ってどこからがアウトなの?」と感じたこと、ある人も多いのではないでしょうか。

では、商用利用OKのイラストや写真販売サイトで購入したものなら、自由に、安心して使っていいのでしょうか?

実は、そう単純ではありません。

「販売されている=自由に使える」ではない

私自身も以前は、「素材サイトで売ってるんだから使っていい」と思っていました。
けれど、あるイラストレーターさんが「自分の作品を商品のデザインに使われていた」と訴訟までおこした記事を見て、考えが変わりました。

その方は、もともとそのイラストを「年賀状やちょっとしたチラシなどの挿絵として使ってもらう」想定で販売していたようです。
それを他の人が「商品の顔となるデザイン」として使い、販売してしまったのです。

つまり、“その商品はイラストが気に入られて購入される”という構図になっており、実質的にはイラストの再販に近い状態。

販売サイト的には「商用OK」とされていても、想定されていない使い方(商品化)をされたという点で、作者が強く反発するのも無理はありません。

素材販売の本当の仕組み

素材サイトで販売されているものは、「作品そのもの」ではなく、“使うための権利(ライセンス)”を購入している状態です。

つまり、「どの目的で使っていいか」は利用規約で決まっているのです。

たとえば、有名な素材サイト「イラストAC」の規約には、こう書かれています。

イラストを商標登録すること、商号、商標その他商品として使用することはできません。

この一文でわかるように、「商用OK」と書かれていても、ロゴや商品デザインなど“商品そのものになる使い方”は対象外です。

実際の使用例

例えばこのイラストを使用する場合。

「ロゴ」や「商品パッケージ」は基本的に使用NGと思った方が安心です

ロゴは、企業やお店のシンボルとして単体で価値を持つもの
商標登録されることも多く、素材の作者からすれば「自分の作品を企業のものにされた」と感じるのは自然です。

また、商品パッケージも“販売する商品の一部”になるため、作品が直接売上に関わる形で使われます。
この場合も、通常の商用利用とは別で「商品化利用」と扱われることがあります。

  • ロゴ
  • 商品パッケージ
  • キーホルダーなどグッズ
  • 販売する書籍などの表紙

一方で、Webや印刷物での「装飾的な使用」はOK

  • Webサイトの背景や挿絵
  • チラシ・パンフレット・SNS投稿のビジュアル

といった“イメージづくりのための使用”は、ほとんどの場合「商用利用」の範囲になりますので公序良俗に反しないかぎり問題になることはほぼありません。

線引きは、「その作品が売り物の一部になっているかどうか」「他のイラストでも代用が効くレベルの使用か」「イラスト自体に価値があるかどうか」
ここを意識しておくだけで、多くのトラブルは避けられます。

まとめ

素材サイトは本当に便利です。
でも、「販売されている=自由に使える」ではありません。
必ず、「どんな使い方が許されているか」を利用規約で確認することが大切です。

特に、ロゴや商品パッケージのように“ブランドの顔”になる部分は、
ゼロからデザイナーにお願いするのがいちばん安心です。

デザイナーに発注した場合でも

  • そのデザインは完全にゼロから生み出したものか?素材の購入履歴があるか?参考にしたものがあるか?
  • 商用素材を使用している場合はサイトの利用規約を確認したか?拡張ライセンスが必要ではないか?

を確認しておくと安心です。

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