旧WordPressの記事をデータベースから確認した手順|飯田市のホームページ制作会社の検証記録

ホームページのリニューアル後、「以前のサイトには、もっと記事があったはずだ」と指摘を受けることがあります。旧サイトをそのまま表示できれば早いのですが、それが難しい場合もあります。

今回は、旧サイトを再公開せずに、サーバーのデータベースから旧記事のタイトルや本文を確認した手順を記録しておきます。飯田市・南信州で、WordPressのリニューアルに関わる方の参考になればと思います。

起きたこと

同じドメインの中に、新旧2つのWordPressが存在する状態でした。もともとドメイン直下に旧サイトがあり、リニューアルでは別のディレクトリに新しいWordPressを構築して、公開を切り替えた形です。

旧サイト  https://example.jp/
新サイト  https://example.jp/renewal/

切り替え後、アクセス経路によっては旧サイト側が表示されてしまうことが分かったため、ルートディレクトリのファイルを整理しました。

その後になって、「以前のサイトには、今より多くの記事があったはずなので確認してほしい」という依頼を受けました。ところが、旧サイトに何件の記事があったかの確実な記録は残っていません。本当に減っているのか、それともタイトルや分類が変わっただけなのか。まずは事実を確かめる必要がありました。

最初に考えた「旧サイトを復元する方法」は見送った

はじめは、旧WordPressを別のURLで復元して、ブラウザで確認しようと考えました。ただ、この方法には準備がたくさん要ります。

旧サイトのファイルを確認用のディレクトリにコピーし、旧データベースを複製し、wp-config.php の接続先を変え、サイトURLを確認用のものに変え、現在のサイトへリダイレクトされないよう調整し、検索エンジンや第三者から見えないように制限する——記事の有無を確認したいだけにしては、作業が多すぎます。

また、公開中の設定を一時的に旧サイトへ戻す方法は、今動いているホームページに影響が出る可能性があります。そこで、旧サイトを再公開せずに、記事だけ確認できないかを調べることにしました。

大前提:WordPressの記事は、サーバーのファイルの中にはない

サーバーのファイルマネージャーを開くと、WordPressには次のようなフォルダやファイルが並んでいます。

wp-admin / wp-content / wp-includes / wp-config.php / index.php / .htaccess

一見、この中に記事のHTMLファイルが入っていそうに見えます。でも、WordPressの記事タイトルや本文は、サーバー上の個別ファイルではなく、データベースに保存されています。主に見るのは wp_posts というテーブルです。

ここが今回いちばん重要なポイントでした。つまり、旧WordPressのファイルを整理していても、旧データベースさえ残っていれば、記事の内容は確認できる可能性があります。

手順1:新旧が同じデータベースを使っているか確認する

まず、新旧それぞれの wp-config.php を開きます。ここに、そのWordPressが接続しているデータベースの情報が書かれています。見るのは主に2か所です。

define('DB_NAME', 'データベース名');
$table_prefix = 'wp_';

旧サイトと新サイトで DB_NAME が違えば、別々のデータベースを使っています。今回もそうでした。

つまり、現在のサイトの記事は新データベース、旧サイトの記事は旧データベースに入っている状態です。この時点で、旧記事は消えたのではなく、今のWordPressから参照されていないだけ、という可能性が高くなりました。

手順2:phpMyAdminで旧データベースの wp_posts を開く

サーバーの管理画面(今回はエックスサーバーのサーバーパネル)から、phpMyAdmin を開きます。phpMyAdmin は、データベースの中身をブラウザ上で確認できるツールです。

旧WordPressが使っていたデータベースを選び、wp_posts テーブルを開きます。多くの列が並んでいますが、記事の確認で見るのは主にこの6つです。

項目内容
ID記事固有の番号
post_date投稿日
post_title記事タイトル
post_content記事本文
post_status公開・下書きなどの状態
post_type投稿・固定ページ・画像などの種類

手順3:同じタイトルが並んでいても、慌てない

wp_posts を開くと、同じ記事タイトルが何件も出てきて、最初は重複登録かと思いました。でも、よく見ると post_type が違っていました。

post は通常の投稿記事、page は固定ページ、revision は記事の編集履歴、attachment は画像やPDFなどのメディア、nav_menu_item はメニュー項目です。サイトによっては、独自の投稿タイプが設定されていることもあります。

つまり、同じタイトルが並んでいても、revision(編集履歴)の行は公開記事ではありません。

あわせて post_status も見ます。publish が公開済み、draft が下書き、private が非公開、inherit は画像やリビジョンなど親データの状態を引き継ぐもの、auto-draft は自動保存された下書きです。

実際に公開されていた記事を数えるなら、post_typepost(またはそのサイト独自の投稿タイプ)で、かつ post_statuspublish のものを見ます。ここを整理しないまま件数を数えると、編集履歴や画像まで記事として数えてしまい、旧サイトの記事数を誤ってとらえてしまいます。

手順4:本文は「編集」を開くと全文が見られる

phpMyAdmin の一覧画面では、post_content(本文)が途中までしか表示されません。全文を見るには、その行の左にある「編集」を開きます。編集画面で post_title(タイトル)と post_content(本文)を確認できます。

ブロックエディターで作られた記事だと、本文の中に次のような記述が混ざっています。

<!-- wp:paragraph -->
<p>本文が入ります。</p>

これは異常ではなく、WordPressが記事の構造を保存するためのものなので、気にしなくて大丈夫です。

ここで大事な注意点。 今回は確認が目的なので、内容は一切変更せず、保存ボタンも押していません。データベースを直接編集すると、サイトの表示に影響が出る可能性があります。閲覧だけで済むなら、変更を加えないことが鉄則です。

手順5:記事が多いときは「検索」で絞り込む

記事数が多いと、一覧を目で追うだけでは時間がかかります。phpMyAdmin の「検索」を使って絞り込みます。

記事IDが分かっているなら、ID を完全一致で検索。タイトルから探すなら、post_title にキーワードの一部を入れて検索します。旧サイトでよく使われていた言い回しや、記事に共通して入っていそうな言葉を手がかりにすると、目当ての記事にたどり着けます。

手順6:旧記事と現サイトの記事を、一件ずつ照合する

旧データベースの記事が確認できたら、今のサイトに公開されている記事と照らし合わせます。ただ、ここでも単純に件数を比べることはできませんでした。リニューアルの際に、タイトルが変更されている記事があったからです。

タイトルだけで「同じ記事だ」と判断すると、実は別の記事を同一のものとして扱ってしまう危険があります。そこで、タイトル・投稿日・本文の概要・旧記事ID・現サイトでの掲載の有無、といった複数の情報を合わせて照合しました。

最終的に、記事を3つに分類しました。旧サイトにだけ存在する記事、現サイトに反映されていると思われる記事、現サイトの公開後に新しく追加されたと思われる記事。この分類によって、「記事が減った」という曖昧な話を、確認できるデータとして整理できました。

分かったこと:復元しなくても、ここまでは確認できる

今回の検証で分かったのは、旧データベースが残っていれば、旧サイトをブラウザ上に復元しなくても、記事タイトル・投稿日・公開状態・記事ID・本文・投稿タイプまで確認できるということです。

もちろん、当時のレイアウトや画像の表示、カテゴリー一覧、アイキャッチまで含めて正確に再現したいなら、旧WordPressを確認用の環境に復元する必要があります。でも、「どんな記事があったか」「本文に何が書かれていたか」を確認するだけなら、phpMyAdmin で足りることがあります。確認のために本番サイトの設定を触らなくて済むのも、大きな利点でした。

教訓1:件数が合わないとき、「消えた」と即断しない

今回、最初は「記事が減っている」という話から始まりました。でも実際に調べると、件数が合わない理由はひとつではありませんでした。

新旧で別のデータベースを使っていた。編集履歴(リビジョン)が記事のように見えていた。独自の投稿タイプが含まれていた。タイトルが変更されていた。現サイトの公開後に追加された記事があった。旧サイトにだけ残っている記事もあった。

こういう状況で、管理画面に見えている件数だけで判断すると、誤った報告につながります。サーバー、WordPress、データベース、今の公開ページを、ひとつずつ確認して事実を照らし合わせる必要がありました。

教訓2:リニューアル時に、記録を残しておく

こうした確認作業を減らすには、リニューアルの前後で記事の情報を記録しておくのがいちばんです。少なくとも、旧サイトの記事タイトル、記事URL、投稿日、カテゴリー、記事ID、新サイトへの移行の有無、タイトル変更の有無、削除や統合をした理由、リダイレクト設定の有無。この程度を一覧にしておくと安全です。

過去の記事は、たとえ古くても、事業者が長年積み上げてきた情報の資産です。リニューアルでデザインだけを整えて、過去記事の移行確認が不十分だと、その資産を失ってしまう可能性があります。

おわりに

WordPressのリニューアルは、公開画面が正しく切り替われば、作業完了に見えます。でも、ホームページの価値はデザインだけではありません。過去の記事や、検索エンジンから評価されてきたページも、大切な資産です。

件数が合わないときに、すぐ「消えた」と判断するのではなく、サーバーとデータベースの両方を確認して、事実を確かめる。地味な作業ですが、それが正確な移行と、情報資産を守ることにつながると感じました。

私たちは飯田市を拠点に、ホームページ制作やリニューアルのお手伝いをしています。見た目を整えるだけでなく、旧サイトに残る情報やデータベースの構成、記事の移行状況まで確認するのが強みです。飯田市・南信州で、サイトのリニューアルや移行にお困りのことがあれば、お気軽にご相談ください。

Home
サービス
制作実績
お客様の声
デザイナー紹介
問合せ