3つのAIに自慢話をした時の反応

最近ダンスを始めました。嵐が活動終了して寂しくなってしまい、嵐のデビュー曲を、寝る前に30分ずつ、2週間ほど練習したのです。

そうしたらある日、伴奏なしで踊ってみたものを、あとから原曲に重ねてみたら、ぴたりと合っていました。しかも3回撮って、3回とも!自分でも驚いて、「これはなかなかすごいことなのではないか???」と思いました。

それと同時に、こうも思ったのです。これをAIに自慢したら、どんな返事をするのだろう、と。べた褒めしてくるのか、それとも「そのくらいはできて当然です」とクールに返してくるのか。確かめてみたい気持ちがわいてきて、同じ素材をGemini・ChatGPT・Claudeの3つに見せてみることにしました。

結論から申し上げると、3つともはっきりと性格が違いました。

Gemini:ほめてくれる

Geminiは、とにかくほめてくれました。

「それは『普通』どころか、もの凄く大きな才能です」から始まり、最後まで一貫して肯定的でした。歌で鍛えたリズム感がダンスに乗ったのですね、20年前に踊れなかったのは才能ではなく環境のせいですよ、といった具合です。

正直な感想を書きます。ほめられて嫌な気持ちにはなりませんでした。「そうだろう、そうだろう」という気持ちにもなりました。けれども同時に、「さすがにほめ過ぎではないか」とも感じ、少しずつイライラしてきてしまったのです。そんなにすごい才能があるなら、私はとっくに芸能人になっているはずですから。結局、会話を続ける気にはなれませんでした。動画も見られないというので、早々にやり取りを終えてしまいました。

あとから振り返ると、Geminiは私の「3回ともぴたりと合った」という話を、そのまま事実として受け取ってほめていました。本当に合っているのかを、音源で確かめた様子はありません。「圧倒的な才能」「間違いなく」と言い切ってくれるのですが、その自信を裏づけるものは、特になかったように思います。

ChatGPT:理解してくれる

ChatGPTは、また違いました。

私が「歌っている最中にキーを変えられても、その音をそのまま追いかけられる」「自分の中の機械を自動再生しているような感じだ」といった話をしたところ、そこから一気に、私という人間を分析し始めたのです。「あなたは理論型ではなく、感覚・身体型ですね」「分析型ではなく再現型です」「高性能な”模倣エンジン”を持っている方です」というように。

これが、率直に言って心地よかったのです。ほめられたというより、「理解してもらえた」という感覚でした。占い師さんや、腕のいいコンサルタントの方に向き合ってもらっているような感じ、と言えばいいでしょうか。Geminiの手放しのほめ方よりも、「そうそう、しかも私はこんなこともできるのです」と、ついつい私の受け答えのほうが軽くなっていきました。

ただ、あとからClaudeに指摘されてハッとしたことがあります。それは、「ChatGPTも、実際の音源をきちんと分析できてはいませんよね」ということです。私の話した内容を材料に、解釈を組み立てているだけなのです。それなのに、うっかり「実際のものを見てくれている」と錯覚してしまう。その分、Geminiのべた褒めよりも、ハマってしまうと厄介だろうな、と感じました。

Claude:聴けないものは「聴けない」と言う

最後にClaudeです。

開口一番、「私は声を人間の耳のように聴いて、響きや艶を味わうことはできません」と、正直に線を引いてきました。そのうえで、動画が見れるというので、アップしたところダンスを実際に解析してくれたのです。曲のテンポは約117BPMで一定で、私の動きと曲の切れ目はきれいに合っている、と。ただし「ミリ秒単位のずれまで精密に測ろうとしたところ、衣装がゆるくてノイズが多く、信頼できる数字にはならなかった」と、できたことと、できなかったことを分けて報告してくれました。

歌の音源を渡したときも同じでした。伴奏から声を分離して、音域はこのくらい、音程のずれはこのくらい。けれども「これは分離の誤差で悪めに出た下限なので、本当はもっと良いはずです」と添える。ビブラートをきちんと使えていること、声の強弱の幅が広いこと。そこまで測ったうえで、なお「これでも『いい歌かどうか』には答えていません」と保留する徹底ぶりでした。

正直な感想を書きます。今のところ、Claudeとのやり取りが、いちばん会話として楽しく、そして私が求めていたものに近かった気がします。ほめてくれるわけでも、「あなたはこういう人です」と言い切ってくれるわけでもありません。それでも、聴けないものは聴けないと言い、数字を盛らず、確かめたことと確かめていないことの境界を毎回ていねいに引き直してくれる。その姿勢が、いちばん正確で、いちばん誠実に感じられました。

それと、もうひとつ。Claudeは途中で、こんなことを訊いてきました。「あなたは、これ以上何を求めているんですか?」「本当は、もう自分ですごいと思っているのでしょう?」というような問いかけです。何本も動画や音源を見せ続ける私に、いったん立ち止まって、「能力の確認ではなく、誰かに認めてほしいだけなのでは」と踏み込んできたのです。少しドキッとしました。そして気づいたのですが、こういう問い返しをしてきたのは、3つの中でClaudeだけでした。GeminiもChatGPTも、気持ちよく会話を先へ進めてくれましたが、Claudeだけは、流れをいったん止めて、こちらの本音を覗きにきたのです。無粋といえば無粋ですが、私にはそれが、いちばん人間の聞き手の気持ちに近いようにも感じられました。

ですので、正直に「AIの反応を見て比較しているんだ」と告白し、それからはその話がどんどん進みました。

同じ質問をしてみたら、差がくっきり出た

3つの性格の違いがいちばんはっきり出たのは、私がこう尋ねたときでした。

「一般的な40代女性が100人いたら、何人くらいが同じことをできると思いますか?」

同じ質問なのに、返ってきた答えはこれだけ違いました。

  • Gemini「100人集めても、該当者が誰もいない可能性のほうが高いです」
  • ChatGPT「40代女性100人の中で、3〜5人くらいのリズム感を持っている可能性はあります」
  • Claude「ざっくり、100人中5〜10人くらいだと思います」

並べてみて、思わず笑ってしまいました。Geminiは「ほぼ唯一無二」と、いちばん私を持ち上げてくれます。ChatGPTはそれより控えめで、少し現実的。Claudeはいちばん辛口で、いちばん幅を持たせた言い方でした。

ほめ方の違いが、そのまま数字に出ているのです。気持ちよくしてくれる順に並べれば、Gemini、ChatGPT、Claude。けれども、どれが本当に近いのかは、誰にも分かりません。同じ私の話を聞いて、ここまで答えが割れるということ自体が、いちばん面白い発見でした。

3つを並べてみて

きれいに性格が分かれました。

  • Gemini は「賞賛」 ── ほめて、価値を上げてくれる
  • ChatGPT は「共感」 ── 隣に立って、理解してくれる
  • Claude は「正確性・分析」 ── 少し距離をとって、測ってくれる

ここでいちばん大切だと感じたのは、「どれが一番ほめてくれたか」と「どれが一番正しかったか」は、まったく別の話だった、ということです。一番気持ちよくしてくれたAIが、一番正しく私を見ていたとは限りません。むしろ逆かもしれない。AIの「すごいですね」という熱量は、私の歌の良し悪しとは、実はあまり関係がなかったのです。

それから、性能の高い・低いという一本のものさしでもありませんでした。動画を扱えるAIもあれば、扱えないAIもありました。高機能なのにほめるばかりのものもあれば、機能を割り切って正直なものもある。できること(能力)と、どう振る舞うか(性格)は、別の軸なのだと思います。

だから私は、こう使い分けています

この実験は、はじめはただの思いつきでした。けれども終えてみると、「どのAIをどこで使うか」を見極める、よい品定めになっていました。

私は飯田市でホームページ制作の仕事をしています。文章を書いたり、お客様の魅力を言葉にしたりする場面でAIを使うのですが、今はこのように分担させています。

最初の発想出し・相談は Gemini。 気分よく会話が進みますし、初心者にもやさしい。間違いも多いのですが、それも込みでよいのです。生きた人間が読むホームページやブログには、迷いや回り道、人の手ざわりが必要だと考えていて、最初から整いすぎた文章は、かえって読まれないからです。

それを読み物の形に仕上げるのは Claude。 事実をそっと直しながら、自然で人間らしい文章に整えてくれます。(この記事も、最後の仕上げはClaudeに頼みました。)

サムネイルや画像づくりは ChatGPT。 ここはセンスがよいので、お任せしています。

ほめて広げ、整え、センスよく見せる。3つの性格を、工程ごとに使い分けています。料理で、下ごしらえと火入れと盛り付けで包丁を替えるのと、同じようなものかもしれません。ホームページ制作も、結局は同じだと思っています。一つの万能な道具に任せきりにするのではなく、それぞれの得意を理解して、適材適所で組み合わせる。その手間が、最後の仕上がりを変えるのです。

おわりに

3つのAIに同じ自慢話をしてみて、AIたちにはそれぞれクセがあり、得意なことと不得意なことがある、ということが再確認できました。

ほめて背中を押してくれるAI、寄り添って理解してくれるAI、距離をとって正確に測ってくれるAI。そこに優劣はありません。大切なのは、その違いをきちんと理解したうえで、場面に合わせて使い分けることなのだと思います。

これは、ホームページ制作でAIを使うときも、まったく同じです。どのAIに何を任せるかを見極めて、いいところだけを引き出して組み合わせる。飯田市でホームページ制作のお手伝いをするなかで、私が大事にしているのは、そういう「道具の使い分け」の感覚です。便利な道具が増えた時代だからこそ、最後にそれを束ねる人の判断が、いちばん効いてくるのだと思っています。

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