文榮堂の宮下さんとは、共通のお友達と共通の趣味(某プロ野球チームのファンの集い)を通じてご縁を持たせていただきました。
折りに触れて表装のお話をなさるので、さすが職人さんは違うなあと感じておりました。
しばらくして「長年の夢だったホームページをお願いしたい。」とのご依頼をいただきました。
どんなホームページがいいか?というお打ち合わせをすると「牧内さんはプロですから、全てお任せしたい。」とのこと。
今までの経験上、「お任せしたい」とおっしゃる方でも、お打合せを重ねると、だいたいは独自の方向性や好き嫌いが出てくるもの(それを引き出すのが私たちデザイナーの最初の仕事)なのですが、宮下さんは本当に全てを任せて下さいました。
自分のサイトを他人を信じて任せる、ということはなかなかできるものではありません。全幅の信頼を寄せていただいたことにお応えしたいと、緊張しながら色々と考えをめぐらせたのを覚えています。
宮下様の本当に伝えたい事はなにか。
辿り着いたテーマは「表装の文化伝承」でした。
文化とは技術と想い。
そこで表装の技術を伝えるために全行程を密着取材させていただき、動画も撮影し技術を伝えることにこだわりました。
取材前に「なぜ表装をするのか?」と伺ったのですが、取材を終えてみると、そんな愚問を投げかけてしまった自分を恥ずかしく思いました。
理屈ではなく、文化であるということを体の深い部分で理解させていただくことができました。
取材を終えてからさらに情報を反芻し、表現の仕方に悩み、表装の流れを理解をするのにお時間をいただいてしまい、サイトの公開までお待たせしてしまったことを大変申し訳なく思っております。
最後に、文化伝承というテーマから、宮下さんが長年取り組んでおられる大名行列と菱田春草の作品保存についてのページも加えさせていただき、情報に厚みを持たせました。
宮下さんはブログの更新にも熱心でおられ、本当にうれしく思っております。
これからもサイトを通じ、表装の奥深さ、面白さとあわせて
城下町飯田の文化を発信し続けていただき、世界中に文榮堂様の技術と日本文化の素晴らしさを伝えていただければと思います。
2016年3月、お練りまつりの大名行列も楽しみにしております!
◆文榮堂
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◆動画はこちらから
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