SEO対策をしていると、二つの正反対のことを言われている気がしてきます。
ひとつは、著作権の話。「引用は慎重に」「勝手に載せてはいけない」。
もうひとつは「E-E-A-Tが大事だ」「客観的な根拠を示せ」「出典のない情報は評価されない」。
慎重にしろと言われる一方で、根拠を出せとも言われる。これは矛盾しているのではないか——最近、そんな疑問が浮かびました。
結論から言うと、矛盾していませんでした。ただ、私が「根拠を示す」の意味を、少し取り違えていただけでした。今回は、その整理を書いておきます。
「根拠を示す」=「原文を載せる」ではなかった
まず、いちばん大事な整理から。
E-E-A-T(経験・専門性・権威性・信頼性)で求められている「根拠」とは、その情報が、どこの誰が言っていることなのかがはっきりしていることです。つまり、出典が明示されていることであって、元の文章をたくさん載せることではありません。
ここを私は、混同していました。「根拠を示す=原文を引用する」と思っていたので、著作権の慎重さと衝突するように感じていたわけです。
でも、実際に必要なのは「出典の明示」。そして——事実やデータそのものには、著作権はありません。
たとえば、「◯◯の調査によると、約7割が〜と回答した」。これは、自分の言葉で書いていて、出典も明記している。著作権の問題はまったくなく、E-E-A-T的にも十分に根拠を示せています。
つまり、ほとんどの場合、原文を引用しなくても、根拠は示せるのです。「引用が必須」なのではなく、「出典の明示が必須」だった。ここが分かって、すっきりしました。
では、引用(原文の転載)が必要なのはいつか
では、原文をそのまま載せる必要があるのは、どんなときか。その言い回しでなければ、意味が変わってしまうときです。
法律の条文や、公式に出された見解の文言。著者独特の表現そのものを論じたいとき。こういう場面では、要約してしまうと正確さが失われるので、引用する意味があります。
逆に言えば、それ以外のほとんどの場面では、自分の言葉で要約して、出典を書けば足りるということです。しかも、そのほうが読みやすい。原文の硬い文章をそのまま貼るより、自分の言葉で噛み砕いたほうが、読む人にとって親切なことも多いです。
私が実際にやっている、安全に根拠を示す方法
そのうえで、実際に私がやっている進め方を書いておきます。
まず、出典の質を上げる。
同じ内容を示すなら、書籍よりも、公的機関の資料や一次情報を使うほうが有利です。官公庁の統計や白書、公式サイトの発表、調査レポート。これらは、出典として説得力があるうえに、多くは利用のルールが公開されていて、条件を守れば安心して使えます。「誰かの本にこう書いてあった」より、「公式の調査でこうなっている」のほうが、根拠として強い。著作権的にも、SEO的にも、こちらのほうが安全で効果的です。
基本形は、要約+出典。
「〇〇(著者名)『書名』(出版社、◯年)によれば、〜」という形で、自分の言葉で内容を伝える。これが最も安全で、しかも読みやすい書き方です。私のブログでも、調査データを紹介するときは、この形にしています。
そして、該当ページにリンクを貼る。
実は、これがいちばん安全な方法です。リンクは、著作物を複製しているわけではなく、「ここに情報があります」と場所を教えているだけなので、そもそも著作権の問題が起きません。引用の作法を気にする必要もありません。
しかも、効果は引用より上かもしれません。信頼できる一次情報にリンクしていることは、その記事がちゃんとした情報源に基づいて書かれている、というしるしになります。読む人も、原典をその場で確認できるので親切です。
貼るときは、トップページではなく、その情報が載っている該当ページに直接貼るのがおすすめです(相手のサイトの規約でリンク先が指定されている場合は、それに従ってください)。
ひとつだけ注意点を。リンク先は、いつか消えたり、内容が変わったりします。ですので、大事な数字や結論は、リンクに頼らず本文にも書いておく。そして「◯年時点の調査」というように、時点を添えておく。こうしておけば、数年後にリンクが切れても、記事の価値は残ります。
どうしても原文が必要なら、作法を守って引用する。
引用として認められるには、条件があります。引用する必然性があること、自分の文章が主で引用が従であること、引用部分がはっきり区別できること、出典を明記すること、内容を改変しないこと。この作法を守れば、引用は法律で認められた正当な行為です。ブログなら、引用用のブロック(枠で囲む機能)を使えば、「はっきり区別する」という要件を形として満たせます。
画像は、基本的に使わない。
本の中身を撮影して載せる、という方法は避けています。引用の要件(必然性や主従関係)を説明しづらいからです。そして何より、E-E-A-Tのために書影は必要ありません。テキストで出典を書けば、それで根拠として十分に成立します。
実体験にこそ、客観的な根拠が要る
ここまで書いてきて、自分の書き方を振り返って、気づいたことがあります。
E-E-A-Tの最初のEは、Experience——経験です。私のブログの中心も、実際にやってみた記録です。500記事のカテゴリーを整理してみたら、こうなった。印刷事故に遭って、こう対策するようになった。ネームサーバーを変えたら、メールが届かなくなった。これらは、自分にしか書けない内容です。
ただ、「自分が経験したから」だけでは、根拠にならない、というのも事実です。
私が体験したのは、あくまで私の環境で起きた一件です。それが、他の人にも当てはまるのか、一般的にそう言えるのかは、別の話になります。「私はこうだった」と「だから、こうです」の間には、距離があります。
この距離を埋めてくれるのが、客観的な根拠です。
たとえば、以前「採用ではSNSが効く」という記事を書いたとき、私の実感だけなら「そんな気がする」で終わっていました。そこに、学生と採用担当者を対象にした調査データを添えたことで、「私の実感」が「一般的に言えること」になりました。実体験が主張の入り口をつくり、客観的な根拠がそれを支える。この組み合わせで、初めて記事として成立します。
逆に、データだけを並べた記事も、弱いのです。誰が書いても同じになるからです。実体験と、客観的な根拠。どちらが強いかではなく、両方あって初めて信頼されるというのが、書き続けて分かってきたことです。
そして、その客観的な根拠をどう示すか——というところで、最初の話に戻ります。原文をたくさん載せる必要はありません。自分の言葉で要約して、出典を明記する。それだけで、著作権にも配慮しながら、根拠のある記事が書けます。
まとめ
整理すると、こういうことでした。
根拠を示す、とは、出典を明示すること。 原文をたくさん載せることではありません。事実やデータそのものには著作権がないので、自分の言葉で要約して、出典を書き、該当ページにリンクを貼る。これで、著作権もE-E-A-Tも両立します。リンクは複製ではないので、いちばん安全で、いちばん親切な方法です。
引用(原文の転載)が必要なのは、その言い回しでなければ意味が変わるときだけ。 そのときは、作法を守れば堂々と使えます。
そして、実体験と客観的な根拠は、両方いる。 自分の経験は記事の軸になりますが、「私はこうだった」だけでは、一般的にそう言える根拠にはなりません。実体験が主張の入り口をつくり、客観的な根拠がそれを支える。この組み合わせで、初めて信頼される記事になります。
「著作権は慎重に」と「根拠を示せ」は、矛盾していませんでした。正しく出典を示せる人だけが、両方を満たせる、というだけのことだったと思います。
なお、私は法律の専門家ではありません。ここに書いたのは、実務の中で整理してきた考え方です。個別の判断に迷う場合は、権利者や専門家に確認してください。

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牧内理恵
まきうちりえ
飯田市在住、広告制作歴20年以上。これまで200名以上のクライアント様と向き合い、100件以上のサイト制作を手掛けてきたデザイナー兼エンジニアの牧内理恵です。御社の強みを引き出し、業績アップに繋がるWebサイト・ネットショップ・販促ツールをご提案します。拠点とする長野県内はもちろん、全国各地からのご依頼にも柔軟に対応しております。
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