フリーランスとして続けてきた効率化のすべて|飯田市のホームページ制作会社の実践記録

フリーランスでデザインの仕事を続けてきて、いろいろな効率化を試してきました。今回は、その中身を具体的に公開します。ただ、その前に——効率化について語るうえで、どうしても外せない「失敗」の話から始めさせてください。私の効率化の原点は、この失敗にあるからです。飯田市周辺でフリーランスや小規模で事業をされている方の、参考になればと思います。

効率化の原点は、ひとつの失敗だった

まだAIもクラウドソーシングもなかった頃の話です。ありがたいことに、たくさんの案件をいただけるようになりはじめ、自分ひとりでは回らなくなってしまいました。

当時、先輩から「人にまわしてでも、断るな」と忠告されていました。だから私は、なんとか知り合いのデザイナーに頼んで下請けをしてもらい、初稿を出しました。ところが、お客さんからこう言われてしまいました。

「これ、あなたがデザインしてないよね?」

しかも、それが2〜3度ありました。

私は、業界では当たり前の「下請けに出す」感覚で依頼していたつもりでした。けれど、お客さんからすれば、まったく違って見えていたんだと気が付きました。たとえるなら——「この歌手に来てほしい」と指名して依頼したのに、来たのはそっくりさんや、その歌手の一番弟子。しかも、それを黙ってやられている。そういう感覚だったのだと思います。そう気づいたとき、当時の私はかなり衝撃を受けました。

お客さんは「牧内に頼みたい」と思って来てくれている。その信頼に、黙って別の人を当てるのは、たとえ腕のいい人でも、裏切りになりかねない。この経験から、私は効率化のやり方を根本から考え直しました。

決めたこと:デザインそのものは、自分でやる

まず、いちばん大事な軸を決めました。

デザインは、自分でやる。 デザイナーの看板を掲げている限り、デザインそのものは自分の手で行う。効率化は、デザイン以外のところでする——この線引きを、はっきり引きました。

これが、私の効率化すべての土台です。「効率化のために、いちばん大事な部分(自分の手仕事)を手放す」のではなく、「いちばん大事な部分を守るために、それ以外を徹底的に効率化する」。

受けきれないときの対応

人が合いそうなら、最初からその人に任せる。 別のデザイナーのほうが合いそうな案件は、黙って下請けに回すのではなく、最初からその人を繋いで案件をお渡しすることにしました。もし下請けとしてお願いした場合でも、こちらには責任や指示のとりまとめ、やりとりの窓口といった業務が結局残ります。それなら自分でやったほうが早いですし、お渡ししてしまえば「あなたがやってないよね?」というクレームも起きません。

合う知り合いがいなければ、クラウドソーシングをコンペ形式で。 紹介できる人がいないときは、クラウドソーシングを活用して、コンペ形式でお客さん自身に選んでもらいます。「私にやってほしい」という思いを上回る、お客さんのメリットを考えたとき、これは強い提案になります。「この費用で、全国のデザイナーの案から選べますよ。しかも私がとりまとめます」——そう伝えると、「それなら…」と納得していただけることが多いです。

お金が発生しない業務に、線を引く

ここは、効率化のなかでも特に大事な部分です。

運用契約のない方からの技術サポートは、サポート外に。 運用契約をしていない方からの技術的な問い合わせは、メールでも電話でも、基本サポート外としました。(初期不良をのぞく)必要であれば、セミナーや出張フォローとして、単発で費用が発生する形にしています。美容院だって、一度カットしたら、伸びてきたからとタダでは切ってくれません。レストランも、注文して翌日、お腹がすいたからとタダでは出してくれない。それと同じだと考えます。タダにすると際限なくお願いされてしまうので、そこはお互いのために線を引く。「払ってでもお願いしたい」というものだけ対応するようにしました。

打ち合わせを「出張フォロー」「セミナー」としてメニュー化。 上と同じ考え方で、打ち合わせ対応もサービスメニューとして整理しました。まずホームページにメニューと金額を明記しました。こうすることで目に見えない打合せなども商品として形になり、公平性も担保されました。

打ち合わせ予約は、Googleカレンダーで直接予約に。 空き枠を設定してお客さんに共有し、直接予約してもらえるようにしました。メールで日程をすり合わせるより、ずっと効率的で確実。ダブルブッキングの心配もなくなりました。

日々の業務そのものを効率化する

連絡手段を、メールとLINEに集約。 FacebookやInstagramのメッセージでは、依頼を受け付けないことにしました。あちこちの窓口で受けると、見落としや管理の手間が増えるからです。連絡はメールとLINEに集約(先方の都合で、Chatwork・Slack・Google Workspaceを使うこともあります)。

細かい急ぎでない仕事は、夜の時間にまとめる。 30分以内で対応できる細かくて急ぎではない仕事は、夕食後の19〜21時にまとめて処理します。メールで「今日の夜に対応します」と返信しておき、1日4件まで。それ以上は翌日の夜に回して、まとまった時間が必要な案件のための時間を確保しています。

会計をクラウド化して、自動で帳簿に。 会計ソフトの弥生(やよい)をクラウド化し、口座やカードと連携して、お金の動きが自動で帳簿に登録されるようにしました。

請求書の発行も自動化+AIでチェック。 Misoca(ミソカ)を使って、毎月の請求書が自動で出るように設定。弥生との連携で、ワンクリックで帳簿に情報が飛ぶようにしました。さらにAIも活用して、毎月のうちに経理のミスを確認しておくことで、年度末の負担を大幅に減らせています。

請求書を紙からPDFへ。 請求書を紙ベースからPDFに切り替えました。「紙をご希望の方は手数料をいただきます」とお願いしたところ、かなりの確率でPDFへの移行をOKしていただけました。

まとめ:守るところと、手放すところを分ける

こうして振り返ると、私の効率化は、すべて「あの失敗」から枝分かれしています。

お客さんが信頼して任せてくれる「デザインそのもの」は、絶対に自分の手でやる。その代わり、連絡・予約・経理・請求といった、お客さんとの信頼に直接関わらない部分は、ツールやAIに任せて徹底的に効率化する。守るべき核を守るために、それ以外を効率化する。 この線引きさえはっきりしていれば、効率化はお客さんへの裏切りにはなりません。

そしてこの考え方は、今のAIの使い方にもそのまま続いています。AIも、自分の手仕事や実体験を「置き換える」ためではなく、その周りの手間を「助ける」ために使う。道具は変わっても、軸は当時のままです。

私たちは飯田市を拠点に、ホームページ制作やデザイン、そしてこうした業務の効率化・仕組みづくりのご相談にも乗っています。「ひとりで案件が回らなくなってきた」「お金にならない作業に時間を取られている」——そんなお悩みがあれば、自分自身が同じ道を通ってきた経験から、飯田市・南信州の事業者さんのお手伝いをします。お気軽にご相談ください。

Home
サービス
制作実績
お客様の声
デザイナー紹介
問合せ