あるサイトで「HTTPSでのセキュリティ接続がサポートされていません」という警告が出た、という報告を受けました。
ただし自分の環境では問題なくアクセスでき、SSL Labs SSL Server Test で診断したところ A 評価。
証明書やサーバー設定自体には問題がないと確認できました。
それでも一部のユーザー環境で警告が出るのは、サーバー側よりも クライアント環境やネットワーク環境の差が原因であるケースが多いです。
考えられる主な要因
- 古い OS / TLS 非対応環境
- Windows 7 / 古い Android / iOS 端末などは TLS1.2 / TLS1.3 に未対応で接続できません。
- サーバーが TLS1.0/1.1 を切っている場合、古い環境からは警告が出ます。
- ブラウザの問題
- Chrome のアップデートが止まっている、または壊れたキャッシュで証明書を正しく検証できない。
- 同じ環境でも Edge/Firefox では正常に開けることがあります。
- 中間証明書の取り扱い
- サーバーの証明書設定に中間証明書(CAバンドル)が正しく含まれていない場合、環境によってはエラーが出ます。
- 特にスマホや一部の古いクライアントは中間証明書を自動補完しないため、設定不備が表面化しやすいです。
- ネットワーク経路での改ざん/検閲
- 公共 Wi-Fi や社内ネットワークで、フィルタリング用プロキシが挟まっている場合、証明書の検証に失敗します。
制作者側でできる確認・対処
- SSL Labs で診断し、評価と「Handshake Simulation」欄を確認
→ どのブラウザ/OSで失敗するか一目で分かります。 - サーバーにインストールしている証明書チェーンを再確認
→ 特に Let’s Encrypt では中間証明書の更新切替に注意。 - TLS 設定の互換性をチェック
→ TLS1.0/1.1 を切った場合、古い環境が切り捨てになることをあらかじめ案内。 - 複数の端末・ブラウザでテスト(PC, iOS, Android, Wi-Fi/モバイル回線)。
ユーザー側に案内できること
- Chrome を最新バージョンに更新してもらう
- 別ブラウザでのアクセスを試してもらう
- Wi-Fi ではなくモバイル通信での接続を試す
- 社内や公共 Wi-Fi ではなく、自宅回線で確認してもらう
まとめ
- サイト側で SSL Labs で A 評価が出ているなら基本的には問題なし。
- 警告が出るのは、古い環境・ブラウザ・ネットワーク依存が多い。
- 制作者としては「証明書チェーンの完全性」「TLS 設定」「複数環境での再現確認」を押さえておけば安心です。
- 問題が再現しない場合は、ユーザーに環境の更新や回線切り替えを案内するのが現実的な対応策です。