特定のメールアドレス1つだけ届かない!ネームサーバー変更後に起きた盲点と解決の記録|飯田市のホームページ制作会社

ドメインはA社で管理して、ホームページ(ネットショップ)はB社のプラットフォームで動かす。こういう「会社をまたいだ」運用は、今どき珍しくありません。便利な反面、ネームサーバー(DNS)の切り替えが絡むと、思いもよらないトラブルが起きることがあります。

先日、サポートしている事業者様から、こんな相談をいただきました。「ネットショップで使っているメールアドレスのうち、なぜか特定の1つだけ、急に受信できなくなった。サーバーの管理画面からWebメールにログインしようとすると、接続エラーが出る」。

このドメインはエックスサーバーで契約・管理していて、ECサイトはフューチャーショップに向けてネームサーバーを切り替えている状態でした。ネットショップにとって、メールが届かないのは、問い合わせや受注の取りこぼしに直結する深刻な問題です。今回は、この一見わけの分からないトラブルを、どう切り分けて解決したのか、その過程を記録しておきます。

最初にぶつかった、3つの矛盾

調べ始めてすぐ、つじつまが合わないように見える事実が3つ出てきました。これが原因の特定を難しくしていました。

ひとつめ。元の管理元であるエックスサーバーに問い合わせたところ、「こちらのシステムの問題ではない(案内できる範囲ではない)」という回答でした。管理画面にはメールアドレスがちゃんと存在しているのに、サーバー会社では対応できないと言われ、事業者様は「じゃあ、どこに聞けばいいの」と途方に暮れてしまいました。

ふたつめ。もしDNS設定そのものに致命的な誤りがあるなら、そのドメインのすべてのメールアドレスが等しく使えなくなるはずです。ところが実際は、ほかのアドレスは問題なく送受信できていて、特定の1つだけが動いていない。この「一部だけ」という状態が、システム全体の問題なのか、その端末だけの問題なのか、判断を鈍らせました。

みっつめ。メールが届かない代表的な原因に「サーバーの容量オーバー」がありますが、確認すると容量にはたっぷり余裕がありました。パンクして受信を拒否しているわけでもない。

「ドメインとアドレスはエックスサーバーにある」「でもネームサーバーはフューチャーショップを向いている」「ほかのアドレスは動くのに、特定のアドレスのWebメールだけ接続エラー」。この絡まった糸を、ほどいていくことになりました。

検証して見えてきた、本当の原因

表面のエラーメッセージだけ見ても進まないので、ドメインの登録情報と、サーバー管理画面の中の設定を、ひとつずつ確認していきました。

ネームサーバーが、どこを向いているか

まず、エックスサーバーの管理画面で、ネームサーバーの設定先を正確にたどりました。すると、登録されていたのは「FUTURE-S.COM」のネームサーバーでした。

これではっきりしたのは、ドメインの契約(所有)はエックスサーバーにあるけれど、インターネット上の交通整理をする権限(DNSの管理権限)は、すべてフューチャーショップ側に移っている、ということです。

ほかのアドレスが動いていた理由は、確認できなかった

気になったのは、ネームサーバーが他社を向いているのに、一部のアドレスは普通に動いていたことです。

正直にお伝えすると、この「なぜ他のアドレスは動いていたのか」という点については、事業者様との間でやりとりが難しく、各端末の設定まで確認することができませんでした。なので、ここははっきりした原因をつかめていません。

ただ、端末ごとの接続設定の違いなど、何らかの事情で「たまたま動いていたアドレスがあった」可能性は考えられます。いずれにせよ、「一部が動いているから設定は正しい」とは限らない、というのが今回の実感でした。

Webメールの「接続エラー」が教えてくれたこと

一方、トラブルの出ているアドレスでエックスサーバーのWebメールを開こうとすると「接続エラー」になりました。このエラーに、大事なヒントが隠れていました。

途中まで、「もうエックスサーバー側でメール機能やドメイン設定が削除されているのでは」という可能性も疑いました。でも、もし完全に消えているなら、最初の段階で「メールアドレスかパスワードが違います」と弾かれて、ログインすらできないはずです。

ところが実際は、最初のログイン画面は通過して、その先の画面まで進めました。これは、エックスサーバー側にアカウント(メールの箱)はちゃんと生きているという証拠です。

それなのに、その先で接続エラーになる。これは、Webメールが裏側でサーバーにアクセスしようとしたときに、今の門番であるフューチャーショップ側のDNS設定に、Webメール用の通信経路(案内板)が書かれていないからでした。箱はある。でも、そこへたどり着く道が、フューチャーショップ側で用意されていない。 これが、エラーの正体でした。

解決のルート

構造がわかれば、打つ手ははっきりします。今、全体の交通整理をしているのはフューチャーショップなので、そのサポート窓口に連絡して、エックスサーバーのWebメールや特定の通信に必要なDNSレコード(宛先の案内)を追加・修正してもらう。これが、根本から直すための正しいルートでした。

この経験から得た、運用の教訓

今回のような「A社でドメインを持ち、B社でサイトを動かし、メールはまた別」という、複数の会社をまたいだ環境は、地方の事業者さんや中小規模のネットショップでも、よくあります。同じトラブルを防ぐために、心に留めておきたいことが3つあります。

ひとつ、システムを変えるときは、影響範囲を先に書き出すこと。サイトのリニューアルやカートの乗り換えでネームサーバーを変えるときは、「ホームページが表示されるか」だけでなく、既存のメール、Webメール、各種の測定タグに影響が出ないかを、事前に一覧にして確認しておく。

ふたつ、「動いているから正しい」を信じないこと。今回のように、一部のアドレスが動いていても、それが設定の正しさを意味するとは限りません。トラブルのときは、個人の端末まかせにせず、サーバーの生のデータやWebメールという「共通の場所」で確認するのが鉄則だと感じました。

みっつ、サポートには、現状を整理して伝えること。会社をまたぐと、各社のサポートは自社の範囲外には答えられないので、「うちではない」になりがちです。こちらから「ドメインは◯◯、ネームサーバーは◯◯、やりたいのは◯◯」と、今の構造を筋道立てて伝えられると、解決がぐっと早くなります。

おわりに

ホームページやネットショップの運用は、デザインが良いことや、集客のノウハウを知っていることだけでは成り立ちません。ドメイン、サーバー、DNS、各システムの仕様という「技術の土台」が正しく噛み合って、はじめて、取りこぼしのない運用ができます。

今回のように、「なぜ1つだけ届かないのか」「なぜWebメールだけエラーなのか」「ログインはできるのに、なぜその先で弾かれるのか」という小さな違和感を見逃さず、管理画面の裏側のしくみまでたどれるかどうかが、安定した運用の分かれ目になります。

私たちは飯田市を拠点に、ホームページ制作やWeb運用のお手伝いをしています。見栄えの良いサイトを作るだけでなく、こうした目に見えにくいサーバーまわりのトラブルやDNSの設計まで、現場目線で原因を突き止めて解決するのが強みです。飯田市・南信州で、技術的なつまずきにお困りのことがあれば、本業の手を止めずに済むよう、お手伝いします。お気軽にご相談ください。

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