最近、当事務所への「新規チラシ制作」の依頼が目に見えて減っています。
もちろん、これまでお付き合いのあるお客様からの修正依頼や増刷のご依頼、あるいは会社概要やパンフレットといった重厚なツールについては相変わらずご依頼いただきます。
しかし、単発のイベント告知やキャンペーン用のチラシについては、2025年に入ってからパタリと新規案件が止まった印象です。
この背景には、デザインツール「Canva」の圧倒的な普及があると考えられます。
Canvaの登場から普及までの歩み
Canvaが日本に本格上陸したのは2017年5月のことです。 当初は「海外製のおしゃれなツール」という印象でしたが、2020年に日本チームが発足してから潮目が変わりました。 日本独自のテンプレートやフォントが充実し、誰でも直感的にプロ並みのデザインが作れる環境が整ったのです。
特に2023年から2024年にかけては、AI機能の搭載やセブン-イレブンでの直接プリント機能の拡充など、利便性が飛躍的に向上しました。
プリントパックなどのネット印刷会社もCANVAデータでの入稿が可能に。
今やノンデザイナーが自分でチラシを作ることは、特別なことではなく「当たり前」の選択肢になったと言えます。
当事務所における依頼内容の変化。実際のデータ公開!
当事務所は「freee」の工数管理をつかっています。
オレンジ色が紙媒体のお仕事として仕訳をしています。
目に見えて減っているのが分かると思います。







その影響は顕著です。 2025年以降、チラシに関するご依頼は以下のような傾向に集約されています。
- 過去に制作したデザインの微修正や増刷
- 会社概要やブランディングに関わるCANVAでは難しいパンフレット制作
- 複雑な情報設計が必要な広報誌
一方で、スピード感が求められるチラシや、低予算で回したい告知物については、お客様自身がCanvaで内製化されているケースが急増していると推測されます。
「わざわざプロに頼まなくても、そこそこのものが自分で早く作れる」という価値観が定着した結果でしょう。
デザイナーに求められる役割のシフト
チラシ制作の依頼が減ったことは、決してネガティブな側面だけではありません。 テンプレートでは解決できない「会社の核となる資料」や「長期的に使うパンフレット」にこそ、プロのスキルを注いでほしいという市場のメッセージでもあります。
デザインの民主化が進んだ今、私たちは「形を作る」作業だけでなく、お客様が内製できない「戦略的な構成」や「ブランドの価値向上」により重きを置くフェーズに来ているのだと感じています。

