他媒体に寄稿した原稿をホームページに使用しても大丈夫ですか?

A. 自分が書いたものでも、そのまま転載できるとは限りません。掲載元への確認をおすすめします。ただ、書き直したものであれば、問題なく掲載できます。

「自分が書いた文章なのだから、自由に使えるはず」——そう思われるかもしれません。ただ、寄稿の場合は、少し事情が違います。ケース別にご説明します。

新聞や雑誌の紙面をスキャンして載せる場合

掲載元(新聞社・出版社)に、一言許可をいただくのが確実です。

理由をご説明します。紙面には、あなたが書いた原稿だけが載っているわけではありません。見出し、レイアウト、写真、デザイン——これらは、新聞社や出版社が作ったものであり、その会社の著作物です。

ですから、紙面ごとスキャンして掲載すると、たとえ中身があなたの原稿であっても、掲載元の権利に関わってきます。「自分の記事だから」という理由では、紙面全体を使う根拠にはなりません。

多くの場合、「掲載されました」というご報告は、掲載元にとっても宣伝になるので、快く許可をいただけることが多いです。一言確認するだけで、安心して使えます。

原稿料を受け取って寄稿した場合

掲載元との取り決めを確認してください。不明な場合は、転載を避けるのが無難です。

原稿料が発生している場合、著作権をどう扱うかは、契約や取り決めによって変わります。著作権そのものを譲渡する内容になっていれば、権利は掲載元に移っています。掲載を許諾しただけであれば、著作権はご自身に残ります。ただしその場合でも、「一定期間は他に出さない」といった取り決めがあることもあります。

契約書や依頼時のやり取りを確認して、はっきりしない場合は、掲載元に問い合わせるのが確実です。

同人誌や会報誌などの場合

掲載元にご相談いただくのが確実です。

こうした媒体は、取り決めが明文化されていないことも多く、一概には言えません。「載せていいですか」と一言聞けば済むことがほとんどですので、確認をおすすめします。

いちばん確実な方法:書き直す

ここまで「確認を」と書いてきましたが、確認せずに、確実に掲載できる方法があります。

寄稿した文章をもとに、改めて書き直すことです。

著作権が保護しているのは「表現」であって、アイデアや事実そのものには、著作権はありません。ですから、あなたが経験したこと、知っていること、考えたことを、改めて自分の言葉で書き直せば、それは新しい文章です。誰の権利にも触れません。

しかも、この方法には利点があります。ホームページには、ホームページに合った書き方があるからです。新聞や会報誌に載せた文章は、その媒体の読者に向けて書かれています。同じ内容でも、自社サイトの読者に向けて書き直したほうが、伝わりやすくなることが多いです。

「◯◯新聞に寄稿した内容をもとに、改めて書きました」と一言添えれば、掲載の実績も伝わりますし、内容は完全にご自身のものになります。

実績として伝えたい場合

「こういう媒体に寄稿しました」という実績自体は、事実ですので、書いていただいて問題ありません。

「◯年◯月、◯◯新聞に寄稿しました」という記載や、掲載元のサイトに記事が公開されているなら、そのページへのリンクを貼るのも良い方法です。リンクは複製ではないので、著作権の問題が起きません。

ただし、リンクには注意点があります。 特にニュースサイトは、記事の公開期限が短いことが多く、数週間から数ヶ月で消えてしまうことも珍しくありません。せっかく貼ったリンクが、しばらくするとリンク切れになり、「存在しないページ」に飛ばしてしまう、ということが起こります。

ですので、リンクだけに頼らないのがおすすめです。「◯年◯月、◯◯新聞に寄稿しました」という事実を、必ず文字で書いておく。そのうえで、リンクは「今なら読めます」という補足として添える。こうしておけば、リンク先が消えても、実績は残ります。

余裕があれば、リンクを貼ったページを、ときどき確認するとより安心です。切れていたら、リンクだけ外して、文字の記載は残す。実績そのものが消えるわけではないので、慌てる必要はありません。


なお、当事務所は法律の専門家ではありませんので、個別の判断はできません。ここでお伝えしたのは、一般的な考え方です。判断に迷う場合は、掲載元や専門家にご確認ください。

 

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