A. 法律で定められた「引用」の要件を満たしていれば、掲載できます。ただし、要件を外れると著作権の侵害になり得るため、書き方には決まった作法があります。
本や記事の内容を紹介したい、という場面はよくあります。結論から言うと、きちんと作法を守れば、引用は法律で認められた正当な行為です。「怖いから一切載せない」という必要はありません。
ただし、「少しだけなら大丈夫」「出典を書けば何でもOK」というものではありません。ここを誤解したまま使っている例が多いので、順にご説明します。
引用として認められるための条件
引用が適法とされるには、いくつかの条件をすべて満たす必要があります。主なものは次のとおりです。
1. 引用する必然性があること 自分の文章を書くうえで、その引用が必要である、という関係が必要です。なんとなく載せる、賑やかしで載せる、というのは引用になりません。
2. 自分の文章が「主」、引用が「従」であること 記事の中心は、あくまで自分が書いた内容であること。引用部分のほうが多い、引用だけで成り立っている、という状態は認められません。
3. 引用部分が、はっきり区別できること どこからどこまでが引用なのかが、ひと目で分かるようにします。「」でくくる、引用符を使う、背景色を変えるなど、自分の文章と混ざらない形にします。
4. 出典を明記すること 書名、著者名、出版社名、ページ数など、元の情報が分かるように記載します。
5. 内容を改変しないこと 勝手に言葉を変えたり、都合よく縮めたりせず、そのまま引用します。
この5つを満たしていれば、引用は正当です。逆に、どれかひとつでも欠けていると、たとえ「ほんの一部」でも侵害になり得ます。「一部だから大丈夫」「一コマだけだから大丈夫」という判断は、根拠になりません。
ブログとSNSでは、事情が違います
ブログやホームページの場合、上の作法をきちんと形にできます。引用部分を枠で囲む、出典を下に書く、といった見せ方ができるので、正しく引用しやすい環境です。
一方、SNSは注意が必要です。 投稿の形式上、引用部分をはっきり区別したり、出典をきちんと表示したりするのが難しく、引用の要件を満たしにくいからです。文字数の制限もあり、自分の文章より引用のほうが目立ってしまうこともあります。
「SNSだから緩い」ということはありません。むしろ、要件を満たしにくいぶん、慎重に扱うほうが安全です。
本の写真(表紙・中身)について
ここが、いちばん誤解の多いところです。
「買った本だから、自分で撮影すれば自由に使える」ということはありません。 本を買って手に入るのは、その「物」の所有権であって、装丁やイラスト、写真、文章の著作権ではありません。自分で撮った写真であっても、著作物を写している以上、その著作物の権利は残っています。
中身の写真は、特に注意が必要です。ストーリーが分かるように何枚も載せる、内容が読めてしまう形で載せる、といったものは、明確に侵害となる可能性が高いです。
表紙の写真については、実態として、多くの投稿がそのまま公開されているのは事実です。宣伝になるという理由で、問題視されないことも多いでしょう。ただ、それは**「権利者が黙認している場合がある」ということであって、「法的に問題がない」という意味ではありません。**
当事務所としては、「表紙なら大丈夫です」と申し上げることはできません。判断は権利者に委ねられており、同じことをしても、指摘される場合とされない場合があるからです。
安全に紹介したい場合は
本を紹介したいとき、確実で安全な方法はいくつかあります。
自分の言葉で書く。 感想や、そこから考えたことを、自分の文章で書く。これがいちばん安全で、しかも読む人にとって価値があります。書影がなくても、良い記事は書けます。
公式に提供されている画像を使う。 出版社が広報用に配布している画像や、書店・通販サイトのアフィリエイトプログラムで提供されている書影は、定められたルールの範囲で使うことが認められています。これなら安心です。
リンクを貼る。 出版社や販売ページへのリンクを貼れば、画像を載せずに、どの本かを正確に伝えられます。
許諾を取る。 どうしても使いたい画像があるなら、出版社に問い合わせて許可を得るのが確実です。手間はかかりますが、これが最も安全です。
最後に
正直に申し上げると、この分野は、まだ判断が難しい部分が多く残っています。実態として広く行われていることと、法的にどうかは、必ずしも一致していません。
当事務所は法律の専門家ではありませんので、個別の判断はできません。ここでお伝えしたのは、一般的に知られている考え方です。判断に迷う場合は、権利者(出版社)に直接確認するか、専門家にご相談ください。
そのうえで、私たちの考えをお伝えするなら——グレーな方法で発信するより、正しい作法で引用するか、自分の言葉で書くほうが、結果的に強いと思っています。誰かの著作物に頼らなくても、あなた自身が感じたこと、考えたことには、他にはない価値があります。

飯田市でホームページ制作・広告運用をサポート|デザインスタジオiR
牧内理恵
まきうちりえ
飯田市在住、広告制作歴20年以上。これまで200名以上のクライアント様と向き合い、100件以上のサイト制作を手掛けてきたデザイナー兼エンジニアの牧内理恵です。御社の強みを引き出し、業績アップに繋がるWebサイト・ネットショップ・販促ツールをご提案します。拠点とする長野県内はもちろん、全国各地からのご依頼にも柔軟に対応しております。
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